コロラドの月と満天の星を眺めながら、隣のおじさんと一つ毛布にくるまり(?、「これには訳があります」)デンバーに着きました。アメリカも初めて、これほど長距離の夜行バスも、もちろん初めてです。
6月6日(水)〜7日(木)
デンバー行きのバスは2台、午後8時15分の出発です。料金は65ドルくらいでした。7時半くらいにタクシーでバス乗り場に着いたのですが、すでに長い列が出来ています。8時に乗車し始めた時には2人並んで座れる席はありませんでした。
バスに乗り込むと一人のおじさん(僕もおじさんですが)が僕に向って、「ここに座れ!」と言います。「2人連れなのだから、代わってくれれば良いのに・・・(と言うのは日本的感覚なのかな?)」と思いつつも、誘われるままに座ってしまいました。(ひょっとして・・・××かも知れない!?)と思った時には、バスはもう動き始めていました。
かくして、ウエストバックで下腹部をガードしながらの10時間の旅が始まりました。バスは2時間くらい走るとトイレ休憩にマ×クや、ケ×タ×キーと言ったファーストフード店に停車しながら走って行きます。青春してるなぁ・・・!
うとうとしていると、風がビュービュー吹いて、寒くなってきました。「何故こんなに風が吹くの?」と思ってふと上を見ると天窓が開いています。「なんだこりゃ!」事情が良く飲み込めないまま、「アメリカのバスはこうなのかな?」と思いつつ、窓から見えるコロラドの月と、天井から見える星空に思いを馳せながら(?)、ロッキー山脈の裾野をバスは疾走して行きます。
「しかし、寒いなぁ・・・!」、隣のおじさんが荷物棚から毛布を取り出し(何故か1枚?)二人でくるまりながら(寒いからしょうがないよな・・・!)旅に身をゆだねる生活が始まりました。(でも肉体をゆだねた訳ではありません!)
6時半にデンバー着、街の手前で車が渋滞していました。予約していたB&Bまでタクシーで行くと(メータを倒さなかった!?)80歳くらいのおじいさんが迎えてくれました。(大丈夫かな・・・?)でも「部屋はまだ空かないけど、朝食食べて行きますか?」と食堂に案内してくれます。娘さんか奥さんかよく分かりませんが(?)、妙齢のご婦人がスコーンとキッシュを焼いてくれました。
食事が済むと建築家は建物を見に、僕はアムトラック(大陸横断鉄道)の駅に行き、そこで聞いたコロラド鉄道博物館にタクシーで出かけました。となり町まで往復90ドル、メータを倒したり倒さなかったり、「明日空港まで頼むかも知れない・・・」と言うと5ドル安くなりました。(でも頼まなかった!)
一旦ホテルに戻りチェックイン、ここで問題が発生しました。予約する時、ホームページに2部屋と言う項目が無かったので2名で予約したのですが、案内されたのは何とダブルベッドの部屋、N氏と思わず顔を見合わせ「う〜ん!」
と言うシチュエーションでしたが、もう一部屋空いていたので、何事も無くデンバーの夜は更けて行きました。
ここにも立派な図書館と美術館がありました。特に新しく出来た美術館は斬新なデザインです。この美術館に行く途中方向が分からなくなり、通りかかったシンガポール生まれのコリアン(もちろん女性?)に道を聞いたのですが、まさにコリアンでした。
「地図はこっち向きに見るの、あなたは今ここにいるから、あっちに行かなければ駄目よ!」
歩道の真ん中でもたもたしていると「ここでは車も人も右側通行なの、全部ではないけど、殆どの人が守ってるわ!」と腕を引っ張られました。
この時ばかりは英語が不思議なくらい良く分かりました。初対面なのにこの距離の近さは何なのでしょう!、シンガポール育ちの彼女は英語しか喋れないのですが、イントネーションがハングルのようで英語がこんなに心地良く響いたのは初めてです。
彼女は図書館にCDを返しに行く途中で、僕は美術館でN氏と待ち合わせ、最後はハイタッチ(?)で分かれたのですが、住所聞いておくんだったな!(それだけが心残りです。)